手軽にできるルアーフィッシングで、釣り初心者からも人気が高いメバリング。メバリングとは、ルアーでメバルを狙うルアーフィッシングです。手軽にできることと裏腹に、ゲーム性が高いのもメバリングの魅力になります。
そんなメバリングではジグヘッドとワームを使用したジグヘッドリグが一般的ですが、プラグを使用する釣りも人気が上昇中です。そこで今回は、メバリングプラグの選び方や使い方について詳しく解説するので、ぜひご参考にしてください。
メバリング用プラグとは
メバリング用プラグとは、名前の通り、メバリングに使用するプラグのことです。そしてプラグとは小魚に似せた形状のハードルアーで、木やプラスチックでできたものが一般的。そのなかでメバリングに使用するプラグは、プラスチックでできているものがほとんどです。
またメバルをプラグで狙う釣りをメバルプラッギングと呼びます。近年ではメバルプラッギングの人気が上昇し、各メーカーからも数多くのプラグが販売されています。
メバリングでプラグを使用する魅力は?
メバリングでプラグを使用すると釣れないのではと思っている人も多いはず。しかし、そんなことはなく、プラグならではの釣りでメバルの釣果を伸ばせます。ここではメバリングにプラグを使用する魅力を紹介します。
レンジキープしやすい
プラグはジグヘッドリグに比べると沈む速度が遅く、ゆっくりとした速度で操作しても一定のレンジをキープしやすいです。メバリングではレンジ攻略が重要で、数センチのレンジの差が釣果を左右することもあります。そのレンジ攻略には、レンジキープをしやすいプラグが最適。プラグを使用するとジグヘッドリグよりもオートマチックにレンジキープができるため、メバリング入門者でも比較的簡単に操作できます。
遠投できる
プラグはジグヘッドリグよりもキャストしたときに飛行姿勢が安定し、安定して飛距離を出せます。遠投した先にメバルがいそうなポイントがあるけど、重たいジグヘッドを使用するとすぐに沈んでしまう。こんなときにはプラグの出番です。遠投できるプラグを使用すると、広範囲を素早く探れて、その日の状況をいち早くキャッチできます。そのため、遠投できるプラグはその日最初に使用するルアーとしても活躍します。
アピール力が高い
ワームに比べてプラグはボリュームがあり、種類によってはブリブリと泳ぐため、アピール力が高い特徴があります。アピール力が高いプラグは、活性が高いメバルに対して効果的。動きが激しめのプラグを使用すると、アピール力が高いルアーに反応する活性が高いメバルがいるか素早くサーチできます。高活性なメバルがいなければ、動きが控えめなプラグやアピールが弱いワームをするローテーションも効果的です。
メバリング用プラグの種類
メバリング用のプラグには、「シンキングペンシル」「ミノー」「トップウォーター」の3種類があります。その3種類を使い分けることでより多くの釣果を出せるようになります。そのため、まずは1つずつでも違う種類のルアーを揃えておくのがおすすめです。それぞれの特徴を詳しく解説するので、見ていきましょう。
シンキングペンシル
シンキングペンシルはペンシル形状のプラグで、水に沈みやすい特徴を持っています。そのため、表層から中層まで幅広いレンジを探れます。またキャストしたときに空気抵抗が少なく、飛行姿勢が安定しやすいため、遠投できる点もシンキングペンシルの特徴です。
幅広いレンジを探れて、遠投もできるシンキングペンシルは、その日の状況を素早くキャッチできます。したがって、シンキングペンシルはその日に最初に使用するルアー、いわゆるパイロットルアーとしても最適です。シンキングペンシルを使用して、メバルがいる場所、レンジを探り、その後のルアーローテーションの鍵を探りましょう。
ミノー
ミノーは小魚のような形状をしたプラグで、前方に取り付けられたリップが水流を受けてブリブリと泳ぐのが特徴です。ミノーには、水に浮きやすいフローティングミノー、沈みやすいシンキングミノーがあります。また近年では浮きも沈みもせずに一定のレンジに留まるサズペンドミノーもメバリング向けに販売されています。
フローティングミノーは浅いレンジを探るときに、シンキングミノーは深いレンジを探るときに効果的。またサスペンドミノーはのちに紹介するドリフトと呼ばれるアクションがしやすいです。ドリフトは攻略が難しいプランクトンを捕食するメバルを狙うアミパターンを攻略するのに役立つテクニック。サスペンドミノーはそのテクニックを誰でも行いやすいので、1つは持っておくことをおすすめします。
トップウォーター
トップウォーターは水面付近を探れるルアーで、表層付近にいる高活性なメバルを狙い撃ちできる特徴があります。トップウォーターは、ペンシル形状をしたペンシルベイトと、カップと呼ばれる口がついたポッパーの2種類がメバリングに効果的。それぞれを使い分けることで、水面付近のメバリングを攻略できます。
どちらもメバルが水面付近で捕食することで起こるボイルが見られるときには出番です。使い分けのポイントとしては、ペンシルベイトはアピールが弱く、ポッパーはアピールが強い点。メバリングにおいてはペンシルベイトの方が出番は多いですが、状況次第ではアピール力があるポッパーに好反応を示す場合もあります。
メバリング用プラグの釣れるカラーの選び方
メバリングのプラグを選ぶときには、カラー選択も重要になります。メバルはプラグのカラーによって反応が変わることも多く、さまざまなカラーを揃えておくことが重要です。しかし、多くのカラーを揃えるのは費用がかさみます。そのため、ここではまず揃えておきたいカラーについて紹介します。
クリアカラー
クリアカラーは名前の通り、ボディがクリアでできたカラーになります。メバリングではプラグ、ワーム問わずこのクリアカラーが定番で、必ず持っておきたいカラーです。クリアカラーにはチャートやピンク、グリーンのようなカラー、またラメが入ったカラーまで幅広い選択肢があります。
特にラメが入ったクリアカラーはメバリングでは超定番。ラメが入ったクリアカラーのプラグは、アミパターンを攻略するには必須で、そのほかにもベイトを捕食するメバルを狙うときにも使用できます。そのため、クリアカラーのプラグを購入するときには、ラメ入りのカラーを中心に取り揃えることをおすすめします。
ソリッドカラー
ソリッドカラーとは、光を透過しないカラーのこと。メバリングにおいては、ブラックやマットチャートなどのソリッドカラーが販売されています。ソリッドカラーは出番がやや少ないものの、特定の条件では威力を発揮し、数多くのメバルをキャッチできます。
特にソリッドカラーが効果的なのが明るい月が出る夜。月が出ているときにはシルエットがはっきりとするソリッドカラーにメバルの反応が良くなるときがあるので、使用してみましょう。またソリッドカラーは水中で目立つカラーにもなるため、メバルの居場所がわかりにくいサーフのような広大な浅場でも活躍。アピール力の高いソリッドカラーのプラグで活性が高いメバルからの反応を探ってみましょう。
ドットグロー
ドットグローとは、散りばめられたグローの粒が発光し、強くも弱くもない程よいアピール力を持つカラー。近年では点発光とも呼ばれるドットグローカラーのプラグが数多く販売されていて、使用するメバリングアングラーが増えています。
プラグ全体に光るグローカラーよりもナチュラルにメバルからの反応を探れるのがドットグローの魅力です。アミパターンを中心に、どのような状況でもメバルの釣果に期待できるカラーになるため、1つは用意しておくことをおすすめします。ドットグローはクリアカラーにもソリッドカラーにもラインナップされているので、チェックしてみてください。
メバリング用プラグの基本的なアクション
メバリング用のプラグの使い方は、「ただ巻き」を中心に、「ストップアンドゴー」「リフトアンドフォール」「ドリフト」が基本になります。わかりやすく解説するので、チェックしておきましょう。
ただ巻き
ただ巻きはリールを一定の速度で巻いて、ゆっくりとプラグを泳がせる操作方法。ただ巻きではリールのギア比にもよりますが、おおよそリールのハンドル1回転1〜2秒を目安に回しましょう。
注意すべき点は、ハンドルを回転させる速度を変えないこと。ハンドルの回転速度が一定でないと、プラグに反応したメバルが違和感を覚え、食いつかなくなります。腕を固定し、手首でハンドルをゆっくりと回すようにすると、一定の速度でハンドルを巻きやすくなりますよ。
ストップアンドゴー
ストップアンドゴーは、リールを巻く、止める、の操作を繰り返し、プラグが動いたり、止まったりする誘い方。メバリングにおいては、リールを3〜5秒巻き、その後3〜5秒止めるのを目安にストップアンドゴーをしましょう。
シンキングペンシルやシンキングミノーでは、リールを止めたときにゆっくりと沈み、その動きにメバルが反応することも。またフローティングミノーでは、リールを止めたときに浮き上がるプラグの動きにメバルが反応することがあります。いずれの場合でも止めたときにアタリが集中しやすいので、いつでもフッキングできるように準備しておきましょう。
リフトアンドフォール
リフトアンドフォールはプラグを上げ下げしてメバルを狙う釣り方。リフトアンドフォールでは、ロッドをチョンチョンと動かして、プラグを表層付近まで引き上げ、その後フォールさせてメバルからの反応を探ります。
リフトアンドフォールには、シンキングミノーやシンキングペンシルのように沈みやすいプラグを使用します。シンキングペンシルでもシンキングミノーでも、よりゆっくりと沈みやすいプラグを使用するのがおすすめ。ゆっくりとフォールする動きにメバルが反応しやすく、ヒットに持ち込めます。
ドリフト
ドリフトとは、プラグを風や海の流れに乗せて、水中でスライドするように流す釣り方。風がある日や流れのあるポイントで、リールのハンドルをほとんど巻かずに操作すると、プラグがスライドするようにドリフトします。
ドリフトはメバリングに使用できるいずれの種類のプラグでもできますが、特に相性が良いのがサスペンドミノー。サスペンドミノーを使用すると、プラグが勝手にレンジをキープし、ほとんどリールを巻かなくとも一定のレンジでドリフトします。まずはサスペンドミノーでドリフトする感覚を覚えてみましょう。
メバルプラッギングが成立しやすい時期
メバリングシーズンは11〜6月ですが、そのなかでもプラグが効果的な時期があります。その時期からメバルプラッギングを始めると、比較的簡単に釣果を出せます。
メバリングシーズン初期の11〜12月
メバリングシーズン初期にあたる11〜12月は、産卵前のメバルが荒食いする時期で、活性が高い個体が多いです。その活性が高いメバルが表層に浮きやすいため、表層を探りやすいプラグで釣果が出せます。ただし、11〜12月は日によってプラグで釣れないときもあるので、ジグヘッドリグと使い分けて探ると、より釣果を伸ばせます。
メバリングシーズン終盤の3〜5月
メバリングシーズン終盤となる3〜5月は、メバルプラッギングの最盛期となります。この時期はプラグオンリーの釣りでも釣果を出しやすく、入門者が初めてプラグでメバルを釣るにも最適。プラグで数釣りが楽しめる時期にもなるので、プラグでメバルを釣りたいときには、見逃せない時期といえます。
プラグでメバルの釣果をあげるポイント
プラグでメバルを釣るには、いくつか意識したいポイントがあります。これから挙げるポイントを意識すると、より数釣りできる可能性をアップできるので、ぜひご参考にしてください。
広範囲を探って状況を把握する
メバリングでプラグを使用するメリットとして挙げた高い遠投性能を活かして、まずは広範囲を探りましょう。広範囲を素早く探ることで、その日の状況を把握でき、次の一手を決めやすくなります。特にメバルからの反応がないときには、広範囲を探ることが重要で、厳しいなかでの1匹により近づけます。
レンジを意識する
プラグを購入して初めて使用するときには、足元に落としてどれくらいのレンジを通るか確認しておきましょう。商品パッケージに潜行レンジの記載がある場合には、そのレンジを確認します。プラグでのレンジ攻略は釣り人が操作して変えるだけでなく、ルアーごと変えることも重要。どのプラグがどれくらいのレンジを通るかをしっかりと把握しておきましょう。
安定したリーリングで探る
先ほども述べた通り、ただ巻きでプラグを操作するときには、リールのハンドルを回転させる速度の安定性が最重要事項です。その安定性がより多くの釣果を出すうえで重要で、安定感のないただ巻きではなかなか釣果が出ません。まずは一定に巻くことを意識してリールを操作するようにしましょう。
ロッド角度も意識する
最後に意識したいことはロッドの角度です。ロッドの角度はプラグが通るレンジを操作するのに重要。ロッドを立てると浅いレンジ、寝かせると低いレンジを通りやすいです。ロッドの角度を変えると、1つのプラグで幅広いレンジを探れるようになり、プラグの使い方の引き出しも多くなります。
まとめ
今回は、近年流行中のメバルプラッギングについて詳しく解説しました。メバリングでプラグを使うと釣れないイメージを持つ人も多いですが、実際はメバリング攻略に大活躍するのがプラグです。ジグヘッドリグを使用したメバリングとは違う趣があり、懐の深さを感じられるのもメバリングでプラグを使用する魅力。ぜひこの機会にプラグを使用したメバリングにチャレンジしてみてください。